NextHill LAB / Habit Study 02

ゴシゴシ洗顔を卒業する、落とし方の科学

汚れが落ちる仕組みを知ると、力を抜いて洗える

シリーズ「美容習慣を研究から読む」 | 読了目安 約4分

この記事の要点

  • 洗顔料の洗浄力は、手でこする力だけでなく、製品の処方にも大きく左右されます。
  • 日焼け止めの落とし方を比べた研究では、製品の種類によって、水・洗顔料・クレンジングオイルの落ち方が異なりました。
  • 米国皮膚科学会は、ぬるま湯と刺激の少ない洗顔料を使い、指先で強くこすらずに洗う方法を勧めています。

「顔は、しっかり洗ってこそきれいになる」

そう思って、頬や小鼻を念入りにこすってきた方もいるでしょう。優しく洗うと、汚れまで残ってしまいそう。長年の習慣ほど、力を抜くのは難しいものです。

そこで考えたいのが、洗顔で汚れが落ちる仕組みです。

汚れに合わせて、洗浄剤の働きを使う

洗顔料に使われる界面活性剤には、水になじむ部分と油になじむ部分があります。その性質を利用して、皮脂などの油性の汚れを水で洗い流しやすくします。洗浄力は、手の力だけで決まるものではなく、製品の処方にも大きく左右されます。[1]

日焼け止めの落とし方を調べた20人の試験では、耐水性のある製品とない製品で、水・洗顔料・クレンジングオイルの落ち方が異なりました。研究で用いた耐水性日焼け止めは、クレンジングオイルで残留が少なくなりました。[2]

この研究から日常のケアに活かせるのは、落ちにくいものを使った日は、その製品に適した洗浄方法を選ぶという考え方です。日焼け止めやメイクの表示を確認し、指定された量や使い方で落とす。汚れが気になるときは、まず製品の組み合わせを見直せます。

優しい洗顔は、手を触れさせてよい

米国皮膚科学会は、ぬるま湯と刺激の少ない洗顔料を使い、指先で洗い、強くこするのを避ける方法を勧めています。[3]

「摩擦ゼロ」という言葉から、指が肌に触れたら失敗、と緊張する必要はありません。洗顔料を広げ、必要な汚れを落とし、十分にすすぐ。その動作を軽い力で行うのが基本です。

泡立てる製品は説明どおりに泡立て、泡立たない製品は指定の使い方で。泡の量だけで、洗浄力や優しさを判断することもできません。[1]

力を抜く練習は、今夜から

慣れるための目安として、頬が大きく左右に動くほどこする動作を減らしてみましょう。これは損傷を判定する医学的基準ではなく、手の力を意識するための工夫です。

洗顔後は柔らかいタオルで軽く押さえ、保湿を。つっぱりやヒリつきが続くときは、洗浄剤・水温・洗う回数も見直します。[3]

これまで丁寧に洗ってきた気持ちを、そのまま「落とすものを選び、肌をいたわる洗い方」へ。洗顔の仕組みがわかると、優しいケアにも納得して取り組めます。

肌を支える「構造」から、美容を考える。

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REFERENCES

  1. Draelos Z, et al. Hydrophobically modified polymers can minimize skin irritation potential caused by surfactant-based cleansers. J Cosmet Dermatol. 2013;12:314–321.
    PubMed 全文(PMC)
  2. Chen W, et al. The optimal cleansing method for the removal of sunscreen: Water, cleanser or cleansing oil? J Cosmet Dermatol. 2020;19:180–184(2019年オンライン公開).
    PubMed
  3. American Academy of Dermatology. Face washing 101.
    公式資料
本記事は、公開されている研究論文・学会資料をもとに、美容習慣に関する一般的な情報を整理したものです。紹介した研究は、それぞれ対象や条件が限られています。特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではなく、特定の商品の効果を示すものでもありません。肌の痛み・腫れ・しこり・急な左右差など気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。