NextHill LAB / Habit Study 03

シャワーで顔を洗うとたるむ?

水圧・お湯の温度・毛穴。研究で確かめられていること

シリーズ「美容習慣を研究から読む」 | 読了目安 約4分

この記事の要点

  • 家庭用シャワーの水圧が、顔のたるみや毛穴の拡大、肝斑を直接引き起こすことを示すヒトの比較研究は、今回確認できませんでした。
  • 一方、熱い水への曝露のあとに、皮膚から失われる水分量や赤みが増えたという研究があります。
  • 顔は、ぬるま湯で、痛みやヒリつきが出ない穏やかなすすぎ方を選ぶのが実用的です。

シャワーの水が顔に当たると、すっきりして気持ちがいい。

水圧で毛穴の汚れまで流れる気がして、長年そのまま洗ってきた方もいるでしょう。

一方、美容情報では「シャワーの水圧でたるむ」「毛穴が開く」「肝斑になる」という説明を見かけます。これらは、どこまで研究で確かめられているのでしょうか。

水圧そのものと、熱いお湯を分けて考える

今回、家庭用シャワーの水圧が、顔のたるみや持続的な毛穴拡大、肝斑を直接引き起こすことを示すヒトの比較研究は確認できませんでした。

この結論は、今回の検索で直接検証するデータを見つけられなかった、という意味です。安全性があらゆる条件で証明されたという意味でも、水圧が原因と確定したという意味でもありません。

一方で、水への曝露や温度の影響は調べられています。2022年、健康な50人を対象とした研究では、手を熱い水にさらした後、経皮水分蒸散量や赤みなどが増加しました。前腕に温熱を接触させる実験も行っています。[1]

経皮水分蒸散量は、皮膚を通して失われる水分量の指標です。この研究は水温や水への曝露と皮膚バリアの関係を考える材料になります。ただし、顔へのシャワー水圧や、たるみ・毛穴を調べた研究ではありません。

毛穴は「汚れが落ちたか」だけでは決まらない

男女60人を調べた研究では、皮脂量の多さや皮膚の弾力の低さと、顔の毛穴の指標との関連が報告されています。[2]

毛穴の見え方を考えるときは、洗浄の強さだけに注目するより、皮脂や肌の性質にも目を向けると整理しやすくなります。この研究から、シャワーで毛穴が広がるかどうかまでは判断できません。

「水圧で奥まで洗えている気がする」という感覚と、実際の洗浄効果も、別々に評価したいところです。落とすものに合う洗浄剤を選ぶ考え方は、「ゴシゴシ洗顔を卒業する、落とし方の科学」でご紹介しました。[3]

顔には、穏やかなすすぎ方を選ぶ

日常のケアとしては、ぬるま湯で、肌に痛みやヒリつきが生じない穏やかなすすぎ方を選ぶのが実用的です。手ですくって流す方法なら、強い直撃を避けやすくなります。[4]

シャワーを使う場合も、熱さと勢いを控え、同じ場所に長く当て続ける習慣を見直す。これは刺激を減らすための提案で、たるみを防ぐ水圧・距離・秒数が研究で決まっているわけではありません。

洗い上がりの赤み、つっぱり、ヒリつきを手がかりに、肌が快適に過ごせる方法へ。気持ちよさを大切にしながら、顔に当たる刺激は穏やかにできます。

肌を支える「構造」から、美容を考える。

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REFERENCES

  1. Herrero-Fernandez M, et al. Impact of Water Exposure and Temperature Changes on Skin Barrier Function. J Clin Med. 2022;11:298.
    PubMed 全文(PMC)
  2. Kim BY, et al. Sebum, acne, skin elasticity, and gender difference—which is the major influencing factor for facial pores? Skin Res Technol. 2013;19:e45–e53.
    PubMed
  3. Chen W, et al. The optimal cleansing method for the removal of sunscreen: Water, cleanser or cleansing oil? J Cosmet Dermatol. 2020;19:180–184(2019年オンライン公開).
    PubMed
  4. American Academy of Dermatology. Face washing 101.
    公式資料
本記事は、公開されている研究論文・学会資料をもとに、美容習慣に関する一般的な情報を整理したものです。紹介した研究は、それぞれ対象や条件が限られています。特定の症状の診断・治療・予防を目的としたものではなく、特定の商品の効果を示すものでもありません。肌の痛み・腫れ・しこり・急な左右差など気になる症状があるときは、医療機関にご相談ください。